
夕暮れ。
一羽の白鳥がつくる引き波が、お堀にきれいに映し出されています。
夕焼けとの対比が、とても美しかった。
ここは、二条城。
徳川慶喜が大政奉還をした場所。激動の大舞台です。
そして江戸時代が終わり、近代がここから幕を開け、現在に至ります。
大政奉還をした部屋も公開されており、そこでは教科書の話が目の前の現実になります。
修学旅行などで訪れた方も多いのではないでしょうか。
そんな激動を何も知らず、白鳥は優雅に泳いでいました。
何も知らない優雅な白鳥が幸せなのか、激動の波を作った先人たちが刺激的で面白い生き方なのか、よくわかりません…。
PENTAX K100D Super smc 18-55mm F3.5-5.6

京都・嵯峨野。小さな庵があります。
俳人、松尾芭蕉の一番弟子、向井去来の庵。
松尾芭蕉もたびたび訪れ、嵯峨日記を書いた場所。
柿の木がたくさん植えてあり、その柿が一夜のうちにほとんど落ちたところから、「落柿舎」という名前が付いたそうな。
今年も、たくさん柿の実がついていました。

内部はこんな感じ。手前は四畳半、奥は三畳の小さな間。
でも、とても落ち着きます。

こんな可愛らしい置物も、さりげなくありました。
風流な…。

土間には、こんな飾りも。
ここで一句、詠みたくなるのですが、文才がない自分には無理でした。
そこで、
「五月雨や色紙へぎたる壁の跡」 芭蕉
俳句を書く色紙を、壁からはぎ取った跡が懐かしい…。
松尾芭蕉が五月に落柿舎を去るとき惜しんで詠んだ、嵯峨日記の最後に記した句です。
写真からも、エピソードからも、「粋」なことがわかっていただけるでしょうか。
京都の魅力は、こんなところにあると思います。
PENTAX K100D Super smc DA 40mm F2.8 Limted